創作のメモとか趣味の弓の話とか色々。
予告無しに腐女子発言があるのでご注意。
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「……ねえ唐祁」
「何だ?」
「これは、何て奇跡?」
「え?」
「誰も、死ななかった。誰も捕まらなかった。確かに……これから風当たりは強くなると思う。でも」
簾飛は言葉を切って、虚空をじっと見つめていた。
「誰も死ななかった」
漆黒の双眸が何を映しているのか、唐祁には分からない。
だがその横顔は確かに何かを見つめていて、少女は少女らしからぬ表情でただ空を見ていた。
「誰も死ななかった」
三度つぶやかれたその言葉に唐祁はわずか首を傾げる。
「それが、どうかしたのか。喜ぶと思っていたが」
「……こわいんだよ」
すいと首を巡らせて簾飛は唐祁を仰ぎ見た。
不安と呼ぶにはあまりに乾燥した色を浮かべた瞳が金色の龍をとらえる。
「こんなにもうまくいってしまったことが、わたしは怖いんだ」
「簾飛?」
「だって、世界は優しくない。何も持っていない人間を愛してはくれない」
少女はそれを身を以て知っている。
世界が彼女に優しくなったのはつい最近のことだ。
「だから、怖いんだ。これから先に何が降りかかってくるのかって考えちゃう」
虚無だと、黄龍は思った。
少女は虚無を知っている。
歴史に轢き殺される人間の多さを、ただただ無情なる世界のありかたを、少女は幼くして知っているのだ。
ゆえに、幸福な結末を恐れるのだろう。
「……大丈夫だ。お前なら、大丈夫だ」
唐祁は簾飛の頭を撫でた。
「どうして?」
「現状に甘んじることのないお前なら、ちゃんと乗り越えられる。俺が、ついてる」
金色の瞳がゆっくりと笑んだ。
――簾飛を、歴史に潰させなどしない。
+++
ちょっとばかりハッピーエンド過ぎたかなと思ってしまったので。
今ゼミの課題で読んでいる本のせいなんですけどね。
歴史のニヒリズムというか、虚無感というか。
どれだけ誠実に物事をこなして真っ直ぐに在り続けたとしてもそれは歴史の女神が容赦なく踏み砕いていくというそんな話。
容保さまとかまさにそれだしねw
史学に携わるものとして、全てがハッピーエンドは有り得ないんだぞという認識を忘れずにいたいと思うようになった。
うまくまとまることの方が少ない。
歴史の結末には常に悲劇がある。
そして、その悲劇を乗り越えるのが人間なんだと。
まぁそういうスタンスで今後話を書きたいなぁとか思う次第。
現実を投影したファンタジー。
まぁやりすぎると身動き取れなくなるんだけど。
取り敢えず白龍章に関しては悲劇の要素が個人に帰結してしまったがゆえに、彼ら一族が今後どのようになるのかとかそういう…社会的悲劇を描ききれなかったのが自分としては若干不満。
今から修正すると話が破綻しかねないのでうまい方法を思いつかない限りはやらん。
だから簾飛の↑の会話が出てきた。
まぁ最終的極論を言えば、簾飛の周りを無理やりハッピーエンドに持ち込もうとするアホが一人いるんだけどね。
それは最後に取っておきたいとちょっと思ってしまう。
悲劇の要因が足りないのは多分黄龍章もだな。
あれで稀苣死亡フラグとかになると完璧?(ぁ
いや、むしろ炎駒の方か。
神龍章は多分大丈夫。
紫龍章は分からん。
……龍シリーズは構想だけを溜め込んで早5年。
何とかしたいorz
悲劇要因が足りない最大の原因は龍シリーズが体制側の人間ばかりを主軸に据えていることだ。
押し潰される民衆、っていう中国世界を動かす原動力となる部分を描写する余地があまり無い。
神龍章までにそのへんの伏線を入れないと多分矛盾が生じる。
下部組織の人間の象徴が簾飛だけだもんな…。
むむむ。
自分はファンタジー歴史小説家(新ジャンル)になればいいんじゃないかと時々思う。
「何だ?」
「これは、何て奇跡?」
「え?」
「誰も、死ななかった。誰も捕まらなかった。確かに……これから風当たりは強くなると思う。でも」
簾飛は言葉を切って、虚空をじっと見つめていた。
「誰も死ななかった」
漆黒の双眸が何を映しているのか、唐祁には分からない。
だがその横顔は確かに何かを見つめていて、少女は少女らしからぬ表情でただ空を見ていた。
「誰も死ななかった」
三度つぶやかれたその言葉に唐祁はわずか首を傾げる。
「それが、どうかしたのか。喜ぶと思っていたが」
「……こわいんだよ」
すいと首を巡らせて簾飛は唐祁を仰ぎ見た。
不安と呼ぶにはあまりに乾燥した色を浮かべた瞳が金色の龍をとらえる。
「こんなにもうまくいってしまったことが、わたしは怖いんだ」
「簾飛?」
「だって、世界は優しくない。何も持っていない人間を愛してはくれない」
少女はそれを身を以て知っている。
世界が彼女に優しくなったのはつい最近のことだ。
「だから、怖いんだ。これから先に何が降りかかってくるのかって考えちゃう」
虚無だと、黄龍は思った。
少女は虚無を知っている。
歴史に轢き殺される人間の多さを、ただただ無情なる世界のありかたを、少女は幼くして知っているのだ。
ゆえに、幸福な結末を恐れるのだろう。
「……大丈夫だ。お前なら、大丈夫だ」
唐祁は簾飛の頭を撫でた。
「どうして?」
「現状に甘んじることのないお前なら、ちゃんと乗り越えられる。俺が、ついてる」
金色の瞳がゆっくりと笑んだ。
――簾飛を、歴史に潰させなどしない。
+++
ちょっとばかりハッピーエンド過ぎたかなと思ってしまったので。
今ゼミの課題で読んでいる本のせいなんですけどね。
歴史のニヒリズムというか、虚無感というか。
どれだけ誠実に物事をこなして真っ直ぐに在り続けたとしてもそれは歴史の女神が容赦なく踏み砕いていくというそんな話。
容保さまとかまさにそれだしねw
史学に携わるものとして、全てがハッピーエンドは有り得ないんだぞという認識を忘れずにいたいと思うようになった。
うまくまとまることの方が少ない。
歴史の結末には常に悲劇がある。
そして、その悲劇を乗り越えるのが人間なんだと。
まぁそういうスタンスで今後話を書きたいなぁとか思う次第。
現実を投影したファンタジー。
まぁやりすぎると身動き取れなくなるんだけど。
取り敢えず白龍章に関しては悲劇の要素が個人に帰結してしまったがゆえに、彼ら一族が今後どのようになるのかとかそういう…社会的悲劇を描ききれなかったのが自分としては若干不満。
今から修正すると話が破綻しかねないのでうまい方法を思いつかない限りはやらん。
だから簾飛の↑の会話が出てきた。
まぁ最終的極論を言えば、簾飛の周りを無理やりハッピーエンドに持ち込もうとするアホが一人いるんだけどね。
それは最後に取っておきたいとちょっと思ってしまう。
悲劇の要因が足りないのは多分黄龍章もだな。
あれで稀苣死亡フラグとかになると完璧?(ぁ
いや、むしろ炎駒の方か。
神龍章は多分大丈夫。
紫龍章は分からん。
……龍シリーズは構想だけを溜め込んで早5年。
何とかしたいorz
悲劇要因が足りない最大の原因は龍シリーズが体制側の人間ばかりを主軸に据えていることだ。
押し潰される民衆、っていう中国世界を動かす原動力となる部分を描写する余地があまり無い。
神龍章までにそのへんの伏線を入れないと多分矛盾が生じる。
下部組織の人間の象徴が簾飛だけだもんな…。
むむむ。
自分はファンタジー歴史小説家(新ジャンル)になればいいんじゃないかと時々思う。
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非公開
自己紹介:
多趣味。
アンテナが多すぎて一番が決められない。
時々ネガティブ。
低空飛行多し。
創作はラノベのようなそうでないような。
堅苦しいファンタジー書きを目指している。
中国やトルコやモンゴルが好き。
歴史学と民俗学のフィールドに生きる。
感情的になりやすくかなりタカ派。
過激な発言で他人を害しやすい。
直さねばとは思うものの、難しい。
アンテナが多すぎて一番が決められない。
時々ネガティブ。
低空飛行多し。
創作はラノベのようなそうでないような。
堅苦しいファンタジー書きを目指している。
中国やトルコやモンゴルが好き。
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感情的になりやすくかなりタカ派。
過激な発言で他人を害しやすい。
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