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何故、と問われて言葉に詰まった。
どう答えればいいのか分からず、彼は己の手をじっと見つめる。
しかし手を休めることはなく、孤児院の子どもたちの服を繕い続けた。
再度、尋ねられる。
「何故、私を助けたのじゃ?」
その言葉に、泣きそうになる。
綺麗な理由なんて無い。
エゴだ。
それを美化せずに伝える術が分からなくて、彼は幾度か口を開こうとして諦めた。
「何となく、か?」
「……ただの身勝手だよ」
その唇に笑みが浮かぶ。
「こんな、俺の手でも誰かを救えるって、思いたかっただけなんだよ」
繕い物をする手が止まり、かすれた声が響いた。
しばしの沈黙が訪れる。
それを破ったのは彼女のため息だった。
「その思考回路は相変わらずじゃな」
「え……?」
思わず面を上げると紫玉の瞳がこちらを見ている。
「救えただろう? ――ちゃんと、そなたは私を救ってくれただろう?」
返す言葉が無い。
風の姫が、彼の額をぺちりと叩いた。
「そなたを愛する者がちゃんといる。自分を卑下するな。私まで悲しくなる」
「ピユラ、ちゃん……」
「なぁ、莠」
名を呼ばれた。
「私はそなたが好きだぞ?」
莠は思わず手を差し伸べる。
彼女はその手を取った。
頬に莠の手をあて、自分のそれを添える。
そして笑った。
「私は、そなたが生きていてくれて良かったと思う」
ああ、どうして。
どうして。
ただそれだけの言葉にこんなにも救われるのだろう。
+++
莠ピユっていうかピユ莠か?
赤神子ブームに調子こいて書いてみたんだが…なんか微妙やね。
莠が女々しくなる。。。
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アンテナが多すぎて一番が決められない。
時々ネガティブ。
低空飛行多し。
創作はラノベのようなそうでないような。
堅苦しいファンタジー書きを目指している。
中国やトルコやモンゴルが好き。
歴史学と民俗学のフィールドに生きる。
感情的になりやすくかなりタカ派。
過激な発言で他人を害しやすい。
直さねばとは思うものの、難しい。