独白

両親は優しく穏やかで慈愛深いひとたちだった。
しかしそれが愚かしさの裏返しだと気付いたのはいつだったか。
月攣の名に与えられたものの重さを理解していない。
月攣の血を繋ぐその意味を知ろうとしない。
――変えようとしない。

両親、だったんだけどな。
気付いたら自分の中になくなっていた。
いてもいなくても変わらなくなっていた。

もしかしたらそれが、狂気に侵されることの一端なのかもな。
誰かを愛するっていう感覚が分からなくなった。
分からなくてもよくなった。

守れればそれでいい。
そのために誰が、何人が、犠牲になろうとも。
あいつ自身がそれを望んでいなくても。
悲しもうとも。

俺はただ、守りたいだけなんだ。
それ以外に、今の俺の中には何もないんだ――。




＋＋＋




だから空藍を見るとあの親の子だなぁって思う。
いい意味で。
自分の精神はもう破綻してるから。
空藍はある種の救い。
自分をまだ「正気」の中に留めるための糸。
だから、彼女の存在さえも斬り捨てて「護ろう」と思ったとき、彼は彼女を犠牲にすることを厭わなかった。
彼女が犠牲になると分かっていて紋章を教えた。


そんな兄貴。
狂気は正気と何が違う、というタイプ。
だからもしかしたらふらふら散歩してるのも何か精神の均衡を保つ為なのかもしれない。



＞相方
あれ普通の人は分かるんかね？
パスワード。
私はためらいなく一発目に「akuma」って入れたけどｗ
その後で三人かーと思ってパス通じたけどさ。