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創作のメモとか趣味の弓の話とか色々。 予告無しに腐女子発言があるのでご注意。
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――四条……っ。

声がしたところまでは、覚えている。
だが、その後が思い出せない。
彼の声を境に、突然分からなくなった。
気付けば世界は半回転していて、自分は床にいた。

「は、やみ……?」

瞳を困惑にすがめ、自分の視界よりも低い位置にいる男に視線を落とす。

「なぁ。どうしたよ。速水?」

何となく予想は出来たが、尋ねてみた。
そして漆黒の髪を指で梳く。

「……何でもない」

「そっか。何でもないか」

ルイは反対側の手で速水の肩を抱いた。
自分の腰にしがみつく男。
ルイは体勢を立て直して横座りになり、すがりつくように自分から離れない男の背を撫でてやる。

「なぁなぁ。今日な、朋香がな。彼氏出来たんだって」

視線を上げ、唇を開いた。
速水は変わらずそこにいる。
温もりが、伝わってくる。

「バカップルを馬鹿にしてたわりにはノロケがひどくてさ。美咲が笑ってた」

他愛もない話をしよう。
手を繋ごう。
一緒にコーヒーを飲もう。
甘いものも買ってこよう。
そうして、互いの温もりの中で眠ろう。

僕は、ちゃんと傍にいるから――。




+++




速水の方の発作。
ルイは万年甘ったれだけど速水は発作型。
時々いきなり不安になって崩れる。
始めはそれを内側に押し込めてたしルイもあんま気付いてなかったけど、仲が深くなるにつれてどんどん発作がひどくなっていって。
大切になればなるほど失うのが怖くて。
離れられなくて。

ルイはルイでそれを知ってるし気持ちは分かるからただ受け止める。
で、いつもと同じように話しかけて、手を繋いで、抱き締めてやって、大好きだよって紡いで。
速水が戻ってくるのを待ってる。
自分はここにいるよ、って。
傍にいるよ、って。

それはまるで燈台のように。

速水がそのヒカリにどれだけ救われているのか、ルイは知らない。



最近アダルト速水の余裕綽々な笑みにむかついてたらネガティブ速水が降臨した。
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プロフィール
HN:
カナメトキ
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性別:
非公開
自己紹介:
多趣味。
アンテナが多すぎて一番が決められない。

時々ネガティブ。
低空飛行多し。

創作はラノベのようなそうでないような。
堅苦しいファンタジー書きを目指している。

中国やトルコやモンゴルが好き。
歴史学と民俗学のフィールドに生きる。

感情的になりやすくかなりタカ派。
過激な発言で他人を害しやすい。
直さねばとは思うものの、難しい。
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