生と死

あんま得意じゃない人はとばしてくださいね。

「命」は否応なく与えられる。
自分自身に生まれるか生まれないかの選択は出来ない。
だから、生きることは「義務」なんだ。
死ぬことが「権利」なんだ。
与えられた命を生きる義務を果たした先にその命の終わらせ方を選択する権利が与えられる。
少なくとも私はそう考える。

だから。
そこで「死」という権利を行使するほどにお前は生きたのかと。
与えられた義務を果たすだけの人生を生きたのかと。
問う。

そして同時に尋ねる。
お前が捨てたこの世界にあたしを置いて逝くのかと。
お前が見限ったこの世にあたしを残すのかと。
――自分だけ逃げるのかと。
それは生きる義務を放棄できない人間の羨望と嫉妬。

誰かを生に繋ぎ止めようとするとき、この嫉妬という感情が常に根底にあるような気がする。
その上で権利だの義務だの、或いは純粋な感情論に依る願いを、祈りを、告げている。



毎日泣きながら誰かに生きろと叫ぶ日々はもう終わったけれど。
それでも今も生きて欲しいと願う人がいる。

誰かを繋ぎ止める言葉なんて大それたものは持ち合わせていないのにね。
ただそれでも生きて欲しいと祈るんだ。
生きていてくれるだけでいいんだ。
それは変わらない。
幸せになって欲しいと思うけれども、それ以上に幸せになる可能性を捨てないで欲しい。
そんなにも簡単に世界を、あたしたちを、斬り捨てられたら悲しい。
生に執着し続ける自分が無様にさえ見えてしまうから。

人生生きたもん勝ちだなんて言うつもりはない。
でも、死ぬときになって初めてプラスマイナスが分かるものだとは思う。
だから、勝手にマイナスと決めつけて終わらせないで欲しい。
一人だけ逃げないで欲しい。


結局、寄せる体質は変わっていないようだ。。。